好きの代わりにサヨナラを《完》
「これくらいしかできなくてごめんね……
あたし、美憂に助けてもらってばかりだったのに」

美憂は首を横に振って、頬をつたう涙をぬぐった。



「美憂がいなくなったら、あたし……」

ちゃんと笑顔で見送ろうと思ってたのに、ハラハラ涙がこぼれ落ちる。

美憂はアイドルになってから初めてできた友達だった。

美憂とこんな形で別れることになるなんて思ってなかった。



「ほのかは大丈夫だよ。snow mistのセンターは、ほのかしかいないんだから」

美憂は、もともと強い子だった。

美憂がいなくなったら、あたしは強くなれない。

あたしは何も言えずに、ただ涙がこぼれてくるばかりだ。
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