♡放課後みすてりあすいーつ!♡

着いた場所は、壁に落書きがされてる古そうな小屋。

「涼村が鞄置いてたのは、こっちの物置小屋だよ」

渡辺くんがドアノブを回して、小屋の中を見せた。

「……うっわぁ……」

反射的に口元を手で抑えた。

なんというか、汚い。

さすが男子ばかりの部活。

脱いだユニフォームやらスパイクやらサッカーボールがそこら辺に雑に置かれてる。

一応足の踏み場はかろうじてあるけど、入りたくない……

「あー、そこだ。俺が鞄置いてた場所」

入り口から入って左側の、窓がある壁にある棚。

涼村くんはそこの二段目を指さした。

「盗られた所は、誰も見てへんの?」

綺鳴が聞く。

「あぁ。財布泥棒が財布盗って逃げた所なら、俺と涼村がそこの窓から見てたんだけどな」

渡辺くんが窓を開けた。

サッカー部の部室はグラウンドの隅にあるから、体育館に続くプロムナードがフェンス越しに見える。

「どっち方面に逃げてったの?こっち?」

美色が体育館とは反対方向の校門側を指さす。
< 67 / 204 >

この作品をシェア

pagetop