♡放課後みすてりあすいーつ!♡
ジェラートガールは振り向かない

冷たいあの子








「恋がしたい」

部室でいつも恒例の菓子パ中、突然美色が言い出した。

唐突すぎて、私は口に入れてたカステラを喉につかえそうになってしまった。

綺鳴も口に含んだ紅茶を吹き出しそうになった。

珍しいな。美色がそんな事言うなんて。

他人の恋路には興味津々だけど、それで満足しちゃう感じの子だから。

「……どうしたの、いきなり」

「だってさー、あたしってこんなに可愛いよ?なんでモテないの?告白されないの?この学校の男子の目は節穴なの?」

スティックタイプのお菓子を五本まとめて口に突っ込むと、美色はやけ気味に語った。

「「……」」

思わず綺鳴と顔を見合わせる。

原因はそういうところだと思うんだけどな~……

確かに美色は可愛い。

美色自身もそれを知ってる。

ナルシストって訳じゃないけど、自分を知りすぎてるからダメなんだろうな。

「はぁ~、なんかもう他人のでもいいから恋路に関わりたいよ~、ドキドキキュンキュンしたいんだよ~」
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