陽の明かり




空一面、灰色で覆われ

私の歩む道を遮るように飛び交う虫達

そして草木は私の腕と脚を容赦なく叩く



どうも気分が晴れようにも、晴れることができないこの状況の中


強く、前へ前へと進んだ。




ここは、都市の中に不自然な円形状の森の中。
また私が来た道を二百メールほど戻れば、車がぶんぶんと怒鳴って走り回っているし、数十倍にも高いビルがたくさん建っている。


だけど、おかしなことに森の中へ入ればそんなことを忘れさせてくれる。

だからこんな気分が晴れないような状況の中でも、私はここが好きだと思える。



鬱陶しい虫達も愛らしく思える程にだ。




私がただ、それだけのために森に暇があれば入るのではなく…、

ある目的地を目指しているのだ。



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