Soul Lovers~世界で一番愛する人へ~
ラバーズ15




例えば、苦しくて落ち込んでるとき、



あなたの声があれば、頑張ろうって勇気になる。



例えば、どうしようもなく寂しいとき、



あなたの暖かい手があれば、1人じゃないって救われる。



例えば、幸せを感じたとき、



あなたと2人なら、その幸せは何倍にもなって、世界はキラキラと輝くだろう。







「ほら、雛子。早く!」



表彰式が終わった私は、亜理沙に手を引かれて、コーギーに向かった。



「目、閉じて」



「え?なんで?」



亜理沙の言葉に、何が何だか分からない。



「いいから、早く!!」



亜理沙は後ろから私の両目を手で塞ぐと、そのままコーギーの中へと連れて行った。



真っ暗な視界の中、物音ひとつしない店内に立たされて、亜理沙に「まだよ」と言われた。



亜理沙が私から離れて、目を閉じたまま、不安な気持ちで親友の名前を呼ぶ。



「亜理沙、まだ?」



そんな私を、大きな暖かい手がギュッと握った。



この手は……



「雛子ちゃん、準優勝おめでとう」



目を開けた先にいたのは、大好きな七倉さんだった。




< 185 / 218 >

この作品をシェア

pagetop