Soul Lovers~世界で一番愛する人へ~
ラバーズ6
-side nanakura-





雛子ちゃんのテニスの試合の日は、午前中、都内でファンとの交流会があった。



試合の開始時間は午後1時。



交流会が終わって、電車に飛び乗れば間に合うかもしれない。



雛子ちゃんから電話で試合の日時を聞いたときは、行けないかもしれないと思った。



けど、どうしても見たかった。



彼女がテニスをする姿を。







ファンと別れて、急いで会場を出ようとした俺を、梨央が呼び止めた。



「どこに行くの?」



俺の行く手を遮るように、立ちふさがる梨央。



「お前に言う必要ないだろ」



そう言って、梨央を押し退けて行こうとした俺に、梨央が言った。



「ハルを待ってるのって、この前の電話の相手?」





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