sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
「うぅううう、紗栄子ぉ〜〜私紗栄子と結婚したいよ〜〜ぜひ嫁に…」
「ちょっ、コーヒー危ないから!溢れるっ!もう、抱きつかないのっ!」
ギュッと、紗栄子に抱きついて私は顔を埋めた。
これ以上、紗栄子には迷惑かけられない。
ちゃんと就職先決めて、恩返ししなきゃ。
私の中には陽介の欠片さえもなかった。
今は、無我夢中に就職活動するだけ。
「梢、頑張んなよ。でも…変な気、遣わなくていいから。いつだってここに居たっていいんだからね」
紗栄子は玄関までやって来て私の肩に両手を置いた。
「…うん、ありがと。じゃあ、行ってきます!」
紗栄子に見送られ、私はしっかりと自分の足で一歩踏み始めた。