月が満ちるまで


自分の弱い所を隠すために努力してる。

人から称賛されるために、頑張ってる。

僕が家で認められるために。



時々…本当はいつも嫌でしかたない。いつまで頑張ればいい……




だから風花やおばあちゃんに会うとほっとした。

ふたりはそのままの僕を受けいれてくれたから。




馬鹿なことをしたって、しょうがないなぁって笑ってくれた。

笑いながら、温かい涙を流してくれたことがある。




僕にとっては実の家族以上に大切だ。




メガネを外して目頭を押さえる。眼球が熱を持っているように熱い。

冷やしたら気持ちいいだろう



「金井先輩」

振り返ると新入生という言葉がぴったりした子がいた。
「わたし今度、生徒会、立候補します。先輩のお話、感動しました」



何を話したか思いだせない……

多分、半分本当で
半分嘘だ



いい生徒であるように
いい先輩であるように

努力してるのだから。



「覚えてもらって嬉しいよ。一緒に仕事ができたらいいね」

極上の笑顔を添える。



大概これに騙される。

頬をピンクに染めて

「そんなこと言ってもらえるなんて、嬉しい。わたし、頑張ってみます」

一息に言って走り去る。



夢を与えられたのか、僕は。



こんな僕でも。

たまには役にたつのかもね。

少し頭痛がやわらいだ気がした。

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