幼なじみの罪ほろぼしと恋心
須藤さんの背中を呆然と見送っていると、

「花乃!」


美野里と沙希が心配そうにやって来た。


「美野里……沙希」


まだぼんやりしたまま呟く私に、二人は気まずそうに言う。


「大丈夫? ごめんね、止めようとしたんだけど、あの男ペラペラとよくしゃべって止まらなくて」

「あ……うん。大丈夫。びっくりしたけど。ありがとうね、かばってくれて」


なんとか笑顔を作って言ったつもりだったんだけど、二人は顔を曇らせてしまった。

ああ、これはかなり心配かけちゃってるな。

でも……二人を安心させる言葉が思いつかない。


まだ頭がぼんやりしていて霞がかかっているみたい。


「花乃、今日はもう帰ろう? 送るから」

頭の上の方からも聞きなれた声がした。

あ……そうだ。なぜだか大樹もいたんだった。

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