私は先輩の浮気相手。






また隼人が見えたとき、アイツは笑っていた。




「何笑ってんだ」


「相変わらず、しゅうはわかりやすいな」


「はぁ?」



「やっぱ何かあったのか。」


「あ…」



ヤバイ。

結局は嘘が見破られるんだ。



コイツにだけ。

中学校の時に、かすみから離れた理由を迫られても、俺は逃げ続けた。

今回はさすがに逃げ道はない。




「どっか寝に行こうぜ」


「それは何の授業だ。」


「お昼寝?」


「お子様だな」


ふっと笑った隼人は、いつも通りに見えて、やっぱり悲しげだった―。

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