私は先輩の浮気相手。
いつもこの背中に、あたしは頼っていたんだ。
「かすみ、眠いなら寝ろよな」
「うーん……やばい。寝ちゃうかも…」
うとうとしたところで、すぐに睡魔はやってくる。
「しゅう..ありがとう」
「いいんだよ。俺はナイト様なんだから」
「馬鹿……」
ふっと笑って、あたしはゆっくりと眠りに落ちた―。
―――…
「あれ、かすみの先輩…?」
何してんだ。
っていうか、アイツかすみと初め走ってた女…?
「ねぇ、先輩。なつみならずっといますよ。
だから…なつみから離れないで下さい。
なつみは先輩が大好きなんです」
「…そうだね」
抱き寄せ合うその姿を、かすみが見ていなくてよかったと、俺は密かに思った。