私は先輩の浮気相手。
「いや、そうじゃなくてさ」
「えっ…?」
先輩の手が、あたしの手を握る。
「何かもう勘付いてる?」
「……はい」
少し真剣な顔をした先輩に、肩を落としながら、あたしは頷いた。
「先輩。今日は何かを言いたくて、遠出にしたみたいですね」
「まぁかすみちゃんを、海に連れて行きたかったのもあるけど。
なら今はそれを忘れて、楽しもうよ?ね?」
それもそう。
今日が最後なんて、あたしは思いたくない。
あたしは笑みを浮かべて頷くと、先輩も笑顔になってくれた。