私は先輩の浮気相手。





先輩の思うつぼすぎる。

でも、可愛い服だし、ちょっと欲しかったり。



「ど、うですか?」


「中々可愛いよ」




へらっと笑う先輩に、少しだけ違和感を感じた。




「先輩はその台詞、何人の女子に言ったんでしょうかね。

あたし、その笑顔好きじゃないですよ」


その時先輩が初めて、悲しげに顔を歪ませた。




「そこまで見抜いちゃダメだよ」



すぐにまた笑みを見せられる。


―先輩。

嘘つきなんですね。




今までもそうやって、浮気していたんですね。


自分の寂しさを紛らわせようとして…。




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