私は先輩の浮気相手。
ジャージに着替えなおすと、ぎこちなく先輩に話しかける。
「そ、そろそろ帰りましょう」
「ん。」
先輩。
そっけない。
あたしが言っていいことじゃなかったのに。
自分に深入りされるなんて、いい気分はしない。
「……」
沈黙が痛く感じる。
電車の切符を、先輩はまた買ってくれる。
嬉しかったことが、今では罪悪感でいっぱいだ。
しゅう、ごめんね。
あたし…浮気が簡単に出来ちゃうなんて、思いもしなかったんだよ。