私は先輩の浮気相手。






部屋のベッドに腰掛けたしゅうの隣に、あたしも座る。



「んで?」


「しゅう…最後に言いたいことあるの」


「最後?」



「うん。もう別れるつもりで来たから」


「は?」



「しゅうはあたしが困ってると、楽しいんでしょ?

もっと辛い顔してるほうがいいんでしょ?


だったら、しゅうから振ってよ。

もうしゅうの浮気するところなんて、辛くて耐えられない」





はっきりと…言えた。

ずっと別れたくなくて、言えなかった言葉。




「何言ってんだよ…、かすみ。

俺が浮気してるのを見て、妬いたの?



それとも耐えられないとか言っておいて、俺に引き止めて欲しいわけ?」


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