私は先輩の浮気相手。

「好きだから、だよ」







「なぁ、かすみ。

俺は一番かすみが嫌いだったんだよ。


ずっと傷つけたかった。


でも―。

本当はかすみの笑顔が好きだった。



だから俺はかすみを憎みたかった。

どうしたって憎めなかったけど」




「しゅう……、あたしは1度距離を置いただけだよ?

それだけなのに…あたしをそこまで悪者にしたいの?」



「1度?笑わせんなよ。

その1度で俺が傷ついたこと知らねぇくせに」




しゅうはあたしのこと。

本当に何も分かってなかったんだ。



あたしが傷ついたことなんて、知ったことではないんだ。



その時だった―。


ガチャッ――。


「そこまでよ!しゅう!」


< 87 / 329 >

この作品をシェア

pagetop