甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
カチャ…

いつまでも待たせするわけにいかず、愛用のドテラを羽織ってドアを開ける。

「お待たせして、すみま…っ!」

突然、視界が暗くなる。

だ、抱きしめられてる!宮澤さんに

「………!」

「…良かった」

ぎゅうぅ…!
宮澤さんの腕の中で身動きがとれない

あ、宮澤さんの香り…。

「………」

「………」

…あぁ、落ち着く……でも、

「…あの…宮澤さん…」

「悪い…」

宮澤さんの腕の力が少し緩んだので、顔を上げると、バツが悪いような、少し頬が赤い宮澤さんと目が合う。

「会社を出る時に、ライン入れたけど既読にならないし、電話も出ないから…その、何かあったんじゃないかと…」

「す、すいません!掃除してからシャワーしてました」宮澤さんの腕の中で、モゴモゴと謝る。

そう言うと、宮澤さんは優しい目を私を見つめた。

「と、友だちにもよく言われるんです。ラインや電話に気付かない事が多くて、遅い時は三日後に気付くとか、都は電報並みだねって!」

クスッ

「クスクス…ごめ…クスッ…悪い、ツボッた」

「………」

笑いが止まらなくなり、宮澤さんはしばらく笑い続けた。

こんなに笑うとこ、初めて見た。

会社でのポーカーフェイスを見慣れてるので、なんか新鮮だ。
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