運命の出会いって信じますか?
20
お姉ちゃんから連絡が来たのは、それから間もなくだった。

「昨晩柏木さんに話した。」

電話の向こうのお姉ちゃんの声は低い。

「どうだった?」

私はその成り行きが気になりつつも、冷静を装って聞いた。

「私が柏木さんに話す前に、二人はその事で会っていた…。」

思っても居ないお姉ちゃんの言葉に、私は目が点になる。

「それで…、柏木さんは何て言っていたの?」

私は焦って、思わず聞いていた。

さっき装った冷静さが吹き飛んでしまった。

「華、明日会社終わりにどこかで一緒にご飯食べない?」

そう言ったお姉ちゃんは、少し考えているよう。

「実は柏木さんが華にも聞いてほしいって言っているの。だから私も二人がどんな話をしたかも、そのいきさつもさっぱり分からないの。」

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