運命の出会いって信じますか?

あれ?今日はいつもの化粧品が届く日ではないはず。

私は首を傾げながら、玄関へ走った。

「野々村華さん、今日は早くから何しているの?」

いつもの宅急便の彼はマスクにエプロン姿の小汚い私の姿を見て言った。

「今週、彼氏が海外から帰ってくるの。だから今日と明日で大掃除するの。」

ちょっと自慢げにこう言った私の顔を彼は怪訝そうに見る。

「野々村華さん、彼氏がいるの?」

私はニッコリ笑った。

「ええ。」

私はじろりと彼を見た。

「ふ~ん。まあ、野々村華さんなら彼氏ぐらい居そうだけどさ。」

ちょっとふてくされたような年下の彼の表情は可愛い。

「それでさ、こないだの返事は?」

宅急便の彼は小さな荷物を私に渡しながら聞いた。
< 161 / 478 >

この作品をシェア

pagetop