運命の出会いって信じますか?
5
「おはようございます。」

私は真先を抱き、荷物を英輔が持って、会社に入ってすぐに託児所へ向かう。

「おはようございます。」

私より少し年上と思われる女性が微笑みながら近づいてきた。

「営業部の日下です。よろしくお願いします。」

英輔が名乗った。

「はい、聞いています。真先くんですね。」

真先は私の腕の中できょとんとした顔をして、その女性を見つめている。

「人見知りは大丈夫みたいですね。」

その女性、木下さんは真先の顔を覗きこんだ。

「今日から総務部でお世話になる日下です。息子の事よろしくお願いします。」

私も挨拶をする。

「はい、何かあったらまず総務部へ、その後に営業部に連絡を入れますね。」

木下さんはそのまま真先の事を少し確認した後、私に真先を下に降ろすように言った。
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