運命の出会いって信じますか?
6
「こんにちは、宅急便です。」

ある土曜日、そんな声に私は玄関に急ぐ。

「いつもありがとう。」

毎月一回、通販で取り寄せている化粧品が届く。

「へい、毎度。」

もうすっかり顔なじみとなった宅急便の配達員さん。

最近、よく会話を交わすようになった。

どうもその感じだと、間違いなく私より年下のようだ。

うちに運ぶ荷物は化粧品だからそんなに重い荷物ではないけれど、きっと腕力があるんだろうなと思わすそのがっちりとした体形。

私は代引きとなっているその荷物と引き換えに料金を払う。

「いつもありがとね。」

彼はそう言って、いつも頭を下げてから去って行く。

時々たわいもない事を話す事だって増えてきた。

< 35 / 478 >

この作品をシェア

pagetop