運命の出会いって信じますか?

私もついついそんな風に真美に答えていく。

「でも毎月配達はその子なの?」

「定期的に届く化粧品だから、だいたいそうだね。大体第1土曜日の朝一指定にしているから。それなら直接受け取れる確率も高いし、その後に予定を組んで出掛けられるからね。」

「ふ~ん。一回顔を拝んでみたいな。」

真美はそう言うと、空になったお弁当を持って立ち上がった。

「残念。休憩終わり。今日も残業しなくても良いように、頑張らなくちゃ。」

やっぱり結婚して子供を産んで、真美は変わった。

仕事においてもメリハリをつけて、集中している。

私だってだらだら仕事をしているわけではないけれど、家に帰っても一人の私は残業が少々あっても気にならない。

英輔が名古屋支社に居た頃は、英輔の住んでいる社宅で私の作る夕食をよく一緒に食べた。

私が一人暮らしをするようになると、それは社宅から私の家に場所を変える事となったけれど。

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