運命の出会いって信じますか?
9
名古屋支社に初出社をした同期は英輔と私以外に真美がいた。

真美とは同じ事務の為、ずっと一緒に東京本社で研修を受けたはずだったのに、名古屋支社で全くの初体面となった。

後で親しくなってから聞いてみると、関西の大学を出た真美は、同じ大学の同期入社の子と一緒にいたらしく、研修中は私とは接触がなかったようだ。

それなのに、何故か最初から気が合った。

だからかその半月後、真美は私にいきなりこう言った。

「ねえ、野々村さんは日下君と付き合っているの?」

確かに本社研修の後、すぐに彼は連絡をくれた。

そして何度も食事に行こうと誘われていた。

でも私にはそんな余裕がなくて、それは実現していなかった。

真美が聞いてきたのは、そんな頃だった。

そう、今日のようにお昼を二人で食べている時。

今はランチなんて行かずにお弁当が多いけれど、お互いが独身の頃は週に何回か会社近くでランチしたものだ。

< 50 / 478 >

この作品をシェア

pagetop