運命の出会いって信じますか?
14
「私お見合いして来たわ。」

ある日曜日、お姉ちゃんにカフェに呼び出された。

先に来ていたお姉ちゃんの前に私が座るなり、お姉ちゃんは口を開いた。

「こないだの写真の人?」

そう言えば、私はあのお見合い写真の中を見なかったな。

ちょっと覗いておけばよかった。

「それでどうだったの?」

その時限りで終わっていれば、きっとお姉ちゃんに私がこんな風に呼び出される事はないはず。

「うん、多分お付き合いする事になりそうな気がする。」

何でもない事のように、お姉ちゃんはアイスコーヒーを飲んだ。

「良い感じの人だったの?」

「そうね、私がまたその人と会う気になるなんて思わなかったからね。でもまだ次の約束をしただけ。」

まるで他人事のように話すお姉ちゃん。
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