恋の魔法と甘い罠Ⅱ
端から見ても大丈夫ではない姿をさらしてしまっている自覚はあった。


けれどそれを顔に出さない方法がわからなくて。



「大丈夫じゃないけど、大丈夫です」



ぼそぼそと呟くように意味のわからない言葉を口にする。



「玲夢ちゃーん」



悠亜さんはそんなあたしを宥めるように抱き締めてきた。



「ごめんなさい」


「何が?」


「ちょっと不安になっちゃって」


「そんなの、当たり前だよ。あからさまに彼氏にべったりな女の子がいたら不安になるに決まってる! でもね、和泉さんは玲夢ちゃんしか見えていないから大丈夫だよ……ね?」



うん、あたしもそう信じてる。


そう思ってくれているからこそ、プロポーズをしてくれたんだもんね。
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