私は、アナタ…になりたいです…。
やっぱり…そうですよね…。
月曜日は雨降りだった。
2週間ぶりに降った雨は、来客者の足さえも遠ざける。

久しぶりに暇な受付業務の最中、近藤さんは私にこんなことを聞いてきた。


「さっちゃん、今度コンパ行かない?最近流行りの街コンってやつ!」

「ま、街コンですか?」

飲食代の含まれた企業主体で開催するコンパですよね…と聞くと、「そうよ!」と元気のいい声が返ってきた。


「街中のいろんな気になるお店で飲食ができるの。参加者の規模としては100人以上がザラだけど、今回のは比較的規模が小さくて50人程度とか言ってたわね」

「50人?それって少ないんですか?」


合コンに行かなくなって何年にもなる。
今更のような質問をする私に、近藤さんは呆れた様な表情を浮かべた。


「さっちゃん、そんなこと言ってたらお一人様の人生まっしぐらよ⁉︎ 歳取って一人なんて佗し過ぎない⁉︎ 」

「はあ…。それはまあ、そうですけど…」


呑気に構えてる私の態度に、ますます深い溜息をつく。
表情を改め直した近藤さんは「いい⁉︎ 」と声を強くした。


「さっちゃんはまだ自分が25歳だからいいと考えてるのかもしれないけど、あっという間に30になるのよ⁉︎ 30になったら、40もあっという間にくるの!何でも活かせるチャンスがあるのは今だけよ⁉︎モテるのもチヤホヤされるのも、20代のうちだけ! 分かる⁉︎ 」

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