強引上司とオタク女子

「俺と一緒の会社に入りたいって言ったんだぜ? で、入社して、新人研修で東京きたから遠距離になって。俺も転勤願い出したけどさ。抱えている案件とかもあるから、今頃になったわけ。ようやく会えるようになったなと思ったら音信不通だよ。電話にも出ない。聞いてた住所に尋ねりゃ、もう引っ越してた。十月にあいつがここに配属されるのも直前になるまで知らなかった。別れたいならそれでもいいけど、ちゃんと言えばいいじゃねぇか」

「はあ。まあそうですね」


つまり、遠距離恋愛に耐えられなくなりトンズラしたってことだね。
見かけによらず、凄いな梨本さん。


「で、問い詰めりゃ新しい男が出来ただろ? ショックっつか呆れたな。……確かに電話も少なかったし、ほとんど会えなかったよ。でも、こっちに異動するために仙台での仕事色々片付けてってやってたら本気で忙しかったわけ、俺」


そんな言い訳を私にされてもな。
ああ三次元は世知辛いな。


「だからといって仕事中に壁ドンで追い詰めるのはいかがなもんでしょう」

「いい加減ケリ付けたかったんだよ。仕事で顔合わせてんのに、何事もなかったような態度で接しられたら傷つくだろ。気持ちが離れてるのは分かってたさ。新しい男が出来たのも仕方ないからもういい。ただ、俺に問いつめられるまで言わなかったことが納得いかない」


だからそれも私に言われてもな。

そもそも、「仕方ない」で済んじゃうの? 

彼女の為に転勤までしたんじゃないのかよ。
それはすごく好きだったからじゃないの?
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