吸血鬼、頑張ります。



「王様・・・愛しております・・・」


「おうさま〜・・・ギュッとして・・・」


鉄観音はハッと目を覚ます。

ガバッと起き上がる。


「な、なんだこれ!?」


ベッドには半裸で眠る、香織と沙織が、鉄観音に寄り添っていた。



「おいっ!お二人さん!な、何て格好だ!直視出来ない!!」


むにゃむにゃと、眠たい目をこすり二人は目を覚ます。



「えっ!?」

「あ、あれ〜?」


「ぎやああああっ!!」

二人の蹴りが、鉄観音に強烈に炸裂した。


「ぶ、ぶごおおおっ!」

回転しながら部屋の壁に激突する。



「お、王様!いくら何でも破廉恥過ぎます!!」

「おうさま〜えっちぃ〜・・・」


鉄観音は頭から血を流しながら声を振り絞る。


「そ、そんな・・・ひでぇ・・・」


力尽き、倒れた。



朝日が、部屋を照らす。

爽やかな朝だった。


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