吸血鬼、頑張ります。



「生きていたとは・・・。ビックリだよ」


「いや、私のセリフだから!なんで普通に放っておいてくれなかったの?」


鉄観音とひよりはそんなやり取りを行っていた。

「いやいやいや、小学生が森で倒れていて呼吸が止まってて、しかも木にヒモがぶら下がっていたら、そりゃ何とかしなきゃって思うでしょう」

「でも、死にたくて居たわけじゃん!考えなかったの?察しなかった?」

「かあっ!最近の小学生は凄いね!考えろとか、察しろとか!敷地だから!俺の家の敷地で自殺されたなんて超迷惑だから!」


「敷地なんて知らないわよ!死にに来てたの!解る?だからどうでも良いのそんな事!」


「でも、君は死ななかった。いや、死ねなかった。だから、俺が血を吸って生き返らせたの」


「だから、それが余計な事だって言うの!お陰で変な体に成っちゃったじゃないの!」


「しょうがないじゃん!俺、吸血鬼なんだもん!それに本当は生きたかったんでしょ!?」


「そ、それは・・・。だからって妖怪に成っちゃうなんて嫌に決まってるじゃん!」


「ああ、もう解った!イブちゃん!この女の子の魂、解放する!んで、死体は森に埋める!」


突然イブに話が振られた。


「え?ああ、それも出来ますよ。王がそれで良いなら、私は構いませんが」


ひよりは口を挟む。


「ち、ちょっと!勝手に決めないでよ!生き返らせたり、殺したり!私の意思はどうなるの!?」

「じゃあ、どうしたいの君は」


ひよりは考える。


そして言った。


「一回、林間学校に戻っても良い?」



その問いに、鉄観音も、イブも呆気に取られた。
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