その瞳をわたしに向けて

松田 side



「あれぇ?清宮ちゃん帰っちゃったの?」

部署にもどって言われたメールのチェックをし、指定されたとこに確認OKの電話をしたところで堀内が2課までやって来た。

「今度はなんだよっ」


最近、堀内にかかわるとロクな事がない。


少し前に、残業を終えると同じく残業していたと言う堀内に飲みに行こうと誘われた。時間は既に8時を回っていたから、会社の近くの居酒屋に行ったが…………

なぜか座敷に通され、そこには7、8人の男女が飲んでいた

合コン?

よく見れば何人か会社で見かける顔があった。

「嬉しい、松田さん遅くなっても絶対来るからって言ってたけど不安だったんですよぉ。」

オイオイ、聞いてねぇよ…………………

まあいい、とりあえず適当に飲んで帰るか



「松田さん、送ってってください。行き先は松田さんと同じでいいですから」


そう何の躊躇いも恥じらいもなく俺のタクシーに乗り込んできた女


「…………なるほど、じゃあご希望通りホテルでいいか?」

「はいっ」


何の疑いもなく、嬉しそうにタクシーの中で腕を絡ませてくる。
確かに俺はこの女とホテルへ行った。




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