その瞳をわたしに向けて

美月 side






つまらない つまらない つまらない つまらない つまらない つまらない…………




どうして、なんで? 私が難しい病院経営の話を聞いたり、ホテルのスタッフの裏事情とかそんな話、飲み物持って愛想笑いして聞かなきゃいけないの?


向こうで、松田さんと瑠璃ちゃんが二人で話してるのに…………

なんで二人で?もう一人の会社の人は?
名前なんだっけ…………



あ………他の女の子と喋ってるあの人……………



「だから、うちのホテルの屋上庭園に今度是非案内を…………」



あっ、こっち向いた。

瑠璃ちゃんが楽しそうに手を振ってるぅ


松田さんの話、瑠璃ちゃんにかなりしてるからなぁ……………
変なこと話してなければいいけど、松田さんには瑠璃ちゃんの話は全然してないし



あの二人、仲良くできるのかなぁ………………
イヤイヤ案外と………

「………………ですよね」

隣にいたプリンスオリエントホテル会長の孫の堂上という男がなにやら話してきた。

全身海外のブランド品で固めたホテルの副支配人らしいが、仕事そっちのけで従業員と遊んでいると噂で聞いたことがある。


「えっ?あ………なんでした?」

「今度、うちのホテルに来ていただける日をですねぇ……………」

うわっ、そんな話きいてなかった。
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