その瞳をわたしに向けて

美月side


***

「みぃちゃんそれ、結婚式の写真?資料?」


「資料じゃないよ。昨日、知り合いの結婚式だったんだけど試験で行けなかったからその写真送って貰ったの。」


「へっ~、見ていい?」と美月のスマホを覗き込みながらほぉうっ、と溜め息をつく睦っちゃん


母方の実家がある名古屋で、専門学校に通い始めてもうすぐ半年になる。

専門学校といっても、いろいろな部門に分かれていて、それぞれ自分の学びたい専門講座を選んでカリキュラムを組む自由な学校だ。

だから、一日中いろいろな授業をとって毎日通っている人もいれば、アルバイトや仕事をしながら合間合間に少ない講座を勉強している人もいる。

習い事程度に受けている人もいれば、本格的にいつか起業するために受けている人もいる。



美月がとっているのは、メイクアップを中心にスタイリスト、美容の部門だ

睦っちゃんは、ここで受ける講座がよく一緒になるうち仲良くなった友達だ。
と言っても年は二十歳で一年前から通っている。お互いアルバイトなどの仕事があるため一日一回会えるくらいだ


彼女はウェディングプランナーを目指していて、そのために関係する講座を、結婚式場のアルバイトをしながら通っている。

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