その瞳をわたしに向けて
「確認もしないでいい加減に仕事をするって事が、どれだけの人に迷惑が掛かるか分かってるのか?一年間何やってきたんだお前は………」

松田の低く怒りのこもった声は部署内をシンとさせる。

その様子に一条も自分の言う事はもうないと思った様で、回収のためリストを他の人に指示し出掛けて行った


自分ばかりが一方的に攻められる事に納得は行かないが、松田の言う事は正論だと思う。

今でも自分の仕事にそれほど責任があるとは思っていなかったのも確かだし、何より立花の指示は出来る範囲内でやっていくものばかりだった


「じゃあ、指示を下さい。やり直します。」


そう言い返すのが精一杯だった

でも、その言葉も反省とは言えない態度として、松田の叱責がより一層強くなった


「じゃあって何だ、お前全然分かってないじゃないかっ」

机を手のひらでバンッと叩きつける


「大体、毎日何も集中出来ないからミスしかしないんだろ。今までまともに褒められた仕事した事あるのか?!」


「……………」

美月は俯いたまま固まってしまう

そんな様子のまま、松田の低い声はよりトーンを落とし、今度は少し囁く様に美月に言い放った

「立花に頼りすぎの結果だろ、立花がいなくたって昨日だったら俺に聞いたらよかっただろ………」


確かに………でも、それが出来なかった。それがいけなかったのだけど………
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