一目惚れの片想い
出向初日は、今までお客様として

手続きが必要だったが、社員証と社内携帯をもらった


社内を案内して、説明してくれるのは

鈴木さん



なんと、俺達のように出向している人が

他3人



ってことで、他人行儀


「ここまでで、何か質問ありますか?」

「迷子になりそう…」

「最初は、迷子になりますよ
私、こっぴどく怒られたことありますから」


鈴木さんは、天使なのに、小悪魔の顔をした


「ええーー怒られるんですか!!」

「そんなときは、すぐに電話を使って下さい!社内の部署や課長、リーダークラスまでの番号が入っていますから
うちは、皆ゴソゴソしているので
内戦使うより、社内はコレです!」


と、言ってるさなか


ピリリリリリリ ピリリリリリリ


鈴木さんの携帯がなる

「すみません、出ますね
もしもし、はい、わかりました
はい、では後ほど伺います!」


電話を切ってから、にっこり笑って


「それでは、皆さんを各部署へご案内します」


3人を先に送ってから、企画課へ

いつも、ミーティングルームとかだから

初めてだ


デスクは、ここです


「やべっ 緊張する」

「俺もです!」

「いろんなところから、丸見えですから
気を抜けないかもしれませんが、案外慣れたら、気になりませんから」

俺の会社は、個室風に仕切りがある

ここは、仕切りがない

あるのは、柱くらい


ひぇーーーーー



「2人とも、吉岡さんの一応部下になるから、大変でしょうけど
頑張って下さいね!」


何が、大変なんだろう???


「読めねぇ字で書くんじゃねぇ!!
汚いなりに、丁寧に書け!!」


吉岡さんは、鈴木さんを怒っていたときのように、キレていた


「企画課の鬼課長って、あだ名があるんですよ!!ぷふふっ
さぁ、挨拶に行きましょう!」


「おまちしてました
一刻も早く馴染んでくださいね」


「吉岡さん、急かさないで下さい!!
お二人とも、緊張しているそうですから」

「昼、皆で食べるんだろ?」

吉岡さんがニヤリ笑って言った

「もちろんですよ!私今日は、午後から
社長についてかなくちゃだから、ゆっくりできないけどね」

「じゃあまた、後でな!?」

「はい、後でね」



俺達を託して、行ってしまった



すげぇ、さみしい








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