一目惚れの片想い
荷物を車に積んで、吉岡さんと春陽君の部屋へ


「春陽!!」


玄関を開けると鈴木さんは、中にどんどん入った


「春陽!!どこ!?」


まるで、この部屋の事を覚えているようだ


「鈴ちゃん?」

「春陽!!会いたかったぁ~!!」


シュンとしている春陽君

「春陽、奏は、覚えてないから」

吉岡さんに言われ、顔を上げる

鈴木さんは、春陽君の顔をジロジロ見る


「春陽…なんか、男の子らしくて格好良くなったねぇ!!なんで?彼女できたの?」


「???彼女とか、いないよ???」


「本当!? 良かった!!
お見舞い来てくれないから、デートで忙しいのかなって…さみしかったよ?」


春陽君に彼女が出来たら、鈴木さんは
湊さんみたいに、邪魔しそう
と、ちょっと想像した


「鈴ちゃん」

「???鈴ちゃん???
春陽… なんで、鈴ちゃん???
奏だよ?」

鈴木さんが、首を傾げると

春陽君は、困った顔をして


「かなでって…呼んでいいの?」


不安そうに、言った


「ずっと、奏だったじゃない!!ヘンなの」


鈴木さんがケタケタ笑う


それから、部屋の探検するって、春陽君を
連れ回す


連れ回すという、表現がピッタリな

広さだった


「広すぎなんじゃないの?」

そう言って
リビングからベランダに出ようとした


「奏!!」


「奏、ダメだよ!!」


???


必死に2人が止める


鈴木さんと俺は、キョトンとする


「ベランダは、出ちゃダメなのね?」


「うん!!」

「そうだ!!ダメ!!危ないからな!!」


「ふぅ~ん」


残念そうに、返事をした後

ガラス越しに、景色を見る


「あたし、よくここに来てた?
なんか、自分の部屋見たときは、わかんなかったけど、ここは、懐かしい気持ち
わかんないけど」



「ほとんどここにいたような気もする」

「酔いつぶれか、寝落ちは、必ずいたよね」





春陽君に言われ、がっくりする鈴木さん




想像していた理想の生き方が
出来ていないらしい


鈴木さんは、自分でため息漏らす




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