一目惚れの片想い
*鈴木 奏*


「うまく出来た?」

「はい… 皆、信じたはずです」

「さすがね!やっぱりSouちゃんは、私の娘
よく、頑張ったわね!!」


鈴音さんは、娘というわりに奏と呼ばない

私は、商品 鈴音さんの人形 Sou

私が鈴音さんのご機嫌をとってさえいれば


誰にも被害がない


「鈴音さんが、お稽古つけてくれるからだよ!私、演技はわからないから
鈴音さんが頼りです!」

「まぁ!!お上手言うなんて!!
可愛い子ね!!」


モデルの仕事は、楽しい

ファッション雑誌の撮影やショーに出てる


時々、久しぶりと声を掛けられたりするのが、怖くてたまらない

誰だか、わからないんだもん


私のそばには、いつも鈴音さんか大畠さんがいる



だから、2人に甘える振りして逃げる

記憶障害だと言っているおかげで

察してくれる人もいる




タバコを吸い始めた

玲音くんと一緒のタバコ



私の部屋には、灰皿があった


だから、もしかしたらと吸ってみた


玲音くんの匂い


さみしさが紛れる



記憶がないのに、思う

あの部屋にひとりがさみしくて、タバコ始めたのかな?

もしかしたら、本当はひとり暮らし

したくなかったのかな?



大畠夫妻は、ある程度自由をくれる

早朝のランニング

朝晩2回のお風呂


これは、玲音くん許してくれなかったこと



復帰してから、仕事ばかり


だけど、何も考えなくてすむ


不安になったり、したくないから


睡眠不足くらいが、丁度いい


一日3時間の睡眠

これも、寝付けないことがほとんど



寝れなくて、クマが出来ると


「Souちゃん、エステいこうか!!」


鈴音さんが連れて行ってくれる

エステなんて、凄くない?


中学生で記憶が終わっている

私にとって、鈴音さんがしてくれることは

正直、凄いことばかり


よくしてくれてるって、言ったことは

案外、嘘じゃない





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