一目惚れの片想い
最終日…
*鈴木 奏*




やっぱり、あたしは、田中さんをずっと好きなんだ

てっきり、喉を痛めて声が出ないと思っていた


田中さんにキスをして貰ったら

あっさりと声が出た


これは、アレだ… ストレスね


いつぶりだろ……


あんなに泣いたの……



今日は、最終日…




田中さんと、最後の日




熱も下がって、体調はまずまず


やれる




「Souちゃん、無理しないでね」


鈴音さんは、少し優しくなった?

今の演技じゃないよね?


「うん!ありがとう!」


鈴音さんといれば、あたしは、飛べる

籠から出た鳥のように



飛べる






ライブが無事に終わった


後日、打ち上げパーティーが開かれるとの

説明があり、解散






家に戻って、あの名刺入れを見る







会いたい……









田中さんに会いたい





どうしようもないくらい






胸が締めつけられた






「ちょっと!出てくる!!
すぐ帰るから!!」


「何処行くの!?もう、夕食出来るわよ!」


「すぐ帰るから!!一緒に食べよう!
待っててね!!」




鈴音さんが心配そうな顔してたけど


にっこり笑って


「いってきます!!」


そう言うと、あきれ顔になった




名刺入れを握って、走り出す



途中でタクシーを拾い


あの店を目指す



毎日、打ち上げしてるって


田中さんが言ってたから


行けば会える!!



それだけで、家を飛び出した









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