十八歳の花嫁
「ここもダメね」
まず着替えようと愛実の実家に戻ったのだが……。
結婚式の中止が知れ渡ったのか、マスコミに囲まれていた。
車に乗ったまま、遠巻きに見ただけでふたりはその場を離れる。
意表をつく形で美馬邸に戻ろうとしたが……。
やはりそう甘くはないようだ。
時間はどんどん過ぎて行き、渋滞に巻き込まれ思いどおりに進まなくなる。
愛実を車に乗せたまま本社ビル近くの駐車場に停め、由佳は瀬崎を探しに行った。
薄暗い駐車場、ルームミラーに映る愛実の顔は疲れ果てて見えた。
和威はどうなっただろう。
自分のせいで尚樹が親戚たちに責められてはいないだろうか。
思いもかけず由佳に助けられここまで来たが、この先、もし藤臣に会えなかったら、どうすればいいのだろう。
和威に渡された携帯電話を握り締め、愛実は途方に暮れる。
そのとき、携帯が小さなメロディを奏でながら、小刻みに震えた。