十八歳の花嫁

第4話 候補

第4話 候補





愛実に親しげに話しかける信一郎を見ていると、どうにも腹が立つ。

美馬は可能な限り表情を殺し、


「信一郎さん、私は彼女にディナー用のワンピースをお持ちしたんです。私たちがいたら、着替えられないのでは?」


とりあえず追い払おうと画策する。

そんな美馬の思惑に気づいたらしい。
信一郎はわざとらしく、愛実の肩に手をかけて言った。


「ああ、そうか……よかったら手伝おうか? ってのはまだ早いか。次回のお楽しみにしておこう」


愛実が結婚を承諾した後なら、この部屋から蹴り出していただろう。
射程に納めた獲物にすぎない少女ではあるが……奇妙な思いに囚われる美馬だった。

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