双子の御曹司
ポストから取り出してきた、郵便物を確認しながら、部屋の鍵を開け中に入る。

「…ダイレクトメールばっかり…」

部屋に入ると留守電のボタンを押す。
 
(メッセージは2件です。)

『遥お帰り(ただいま)お母さんよ(分かってます)来週のお見合い頑張るのよ(……)ちゃんとお肌のお手入れしなさいね?(はいはい)伊月くんに宜しくね(はーい)……』

(ピー…)

『遥元気にしてる?(元気だよ)私、結婚する事にした(ウソ?)お見合いした相手なんだけどさぁ(へー)このあたりで手を打つわ!(このあたり?)今度紹介するね。……』

大学時代からの付き合いの坂井美貴野だった。

「美貴野、見合いしたんだ?」

今日は遅いから、シャワーで済ませようと思ったけど、やっぱり湯船に浸かろうと思い給湯器のボタンを押す。

ハァー…美貴野も結婚か…?
別に焦りはしてないけど…

仲の良い独身友達が1人減り、2人減りって居なくなると、なんだか寂しさはある。

飲みに誘っても『ランチは行けるけど、夜は子供が居るから』だとか、『主人が帰り早いから』と付き合いが悪くなる。

やっぱり見合い頑張るかな…
あっ稔くんの通院、今度は水曜日って西園寺さん言ってたなぁ…?




お見合いの日かぁ……




西園寺竜仁さん…か……




なんだか胸に引っかかるものがある。




なんだろう…





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