計画的俺様上司の機密事項
「僕が直しましょうか?」


野上くんが席を離れ、シンちゃんの席までやってきた。


「パスワードが悪いんでしょうね。ちょっと聞いてみますよ」


といって、シンちゃんの机の上にある電話を借りて、内線ボタンを押し、どこかへ電話をかけた。


「総務ですか。4階、野上です。お疲れ様です。パソコンのパスワードの件なんですが、はい、はい。わかりました」


さらさらと電話の近くに置いてあったメモ帳をちぎり、丁寧にメモを取る。

受話器を置くと、パソコン借りますね、とシンちゃんにいうと、シンちゃんは椅子から立ち上がると、その椅子に座り、書いた紙通りのパスワードを入力した。


「できました」


「……あ、ありがとう」


「どういたしまして」


そういって、野上くんは得意げな顔をしながら、自分の席に座った。


「僕のパソコンで確認できました。これで明日の本格稼働、うまくいきますね」


「あ、ああ」


シンちゃんは野上くんの姿勢にあっけにとられていた。

ちらりとシンちゃんがこちらを見てきたので、もう一度開いてみる。

ピンクと白色のかわいらしい画面が出てきた。


「こちらも確認できました」


「あ、ありがとうな。二人とも」


シンちゃんは不思議そうに首を傾げつつ、サイトを確認できたようでホッとしていたようだった。
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