彼が嘘をついた
お見合いの日の出来事
翌週も、通常通りに仕事をした。
相変わらず隼人くんは忙しいみたいで会えないけど、そこはしっかり割り切っている。
それに、土曜日の夜にしっかり触れ合ったから大丈夫!
あの日、ちゃんと愛されているって実感出来たから。

ただ、毎日のように兄からお見合いの確認が入るのが憂鬱だ。
お見合い自体は、しっかり行くつもりだ。
社会人として、それくらいの常識は持っている。
その後の結婚やら、お付き合いやらは、ちゃんと断るつもりでいるけど。

金曜日は、定時で上がることが出来た。
いつも通りに家に帰って、ご飯を食べてお風呂に入った。
そして、翌日着る服を用意してベッドに入る。

兄から貰ったお金で買ったジャケットとフレアスカートのツーピース。
色はレモンイエロー。
私にしては大人っぽいデザインだけど、
『これからパーティーとかがあっても、これなら上をブラウスに変えてもいいし、スカートをパンツにしてもいい。着回しが出来るわよ』
と、洋子叔母さんが選んでくれた。
合わせて白いバックと白いパンプスも買った。

お見合い自体はイヤだけど、新しい服が買えたのは嬉しい。
和馬さんには、服の写メを送ってある。
それに合わせた髪型とメイクを考えてくれているはずだ。
……断る前提のお見合いなのに、力が入り過ぎているのは気のせいだろうか?




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