彼が嘘をついた
五十嵐くんもシートベルトを閉めてエンジンをかけると、

「今日は目的があるわけじゃないんだ。
…あっ。もちろん、遥が行きたいところがあるなら、そこに向かうけど」

「…特にないよ。
五十嵐くんにお任せします」

「…そっか。
じゃあ、適当に走らせるからな。
どっか、寄りたい店があったら早めに言って」

「…うん」

こうして私たちの目的のないドライブはスタートした。





30分ほど車を走らせて、国道へ出るコンビニに車を停めた。

「ちょっと休憩。
飲み物買ってくるから、どっちに行くか決めておいて」

「あっ…。私も降りる」

そう言って私も、彼に続いてコンビニに入った。

五十嵐くんは缶コーヒーとフリスクを持ちレジに列んだ。
私はストレートティーとキャンディを手に取り、彼の後ろに列んだ。

それぞれに会計をして車に戻る。
お互いにシートベルトを締めたあと、

「どっちに行くか決めた?」
と聞かれて、

「うん。右に行って。
私、久しぶりに湖に行きたい!」

「分かった!」

彼はそう答えて、すぐにカーナビをセットした。

「1時間弱で着くから。
あと、好きなCDかけていいよ」

言われるまま、好きなアーティストのCDをセットすると、

「じゃあ、出発するよ」

そう言って、国道へと出た。


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