オトナチック
3・シュールブルー
家に帰ると、スマートフォンの充電をしようと思ってカバンからスマートフォンを取り出した。

「あら?」

チカチカと画面が点滅していることに気づいた。

指で画面をタップすると、電話の着信が1件だけあった。

時間は3時間前――杉下くんのおばあさんが入院している病院を後にした時だった。

誰からだろう?

そう思いながら着信の確認をすると、
「――えっ…?」

私は目を疑った。

画面には、“宮本新一(ミヤモトシンイチ)”と言う名前が表示されていた。

「何で…?」

その名前を見た瞬間、私の手からスマートフォンが滑り落ちそうになった。

私に別れを告げたうえに家から追い出した元彼から、どうして電話がきたのだろう?
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