黄金と四聖獣
その少女の言葉に、シオン様は
「あぁ、頼むよ」
と笑って答える。
シオン様のその笑顔に、少女は少しだけ
頬を染めてからそっぽを向いた。
一方でのエーラは、まだむっつりと不機嫌な
ままだった。
「警戒心ゼロの王子様の護衛も大変だなぁ、がきんちょ」
崖から飛び降りて、エーラの横に着地した
ゼンが、面白半分にそう言うと、
エーラはキッとゼンを睨んで口を開きかけ、
溜息を吐いてそのまま口を閉ざしてしまった。
「…エーラの、麒麟様に対する忠誠心は…なんだか異常なものを感じますね」
私のそばに来たライアが、私にそう耳打ちする
私はライアの方には視線を向けずに、
エーラを見ながら静かに頷く。
「…殺されかけて、城を追われたなんてことがあるから、なおさらなのかも知れない」
私がそう呟くように言うと、ライアも
考えるような表情でエーラの方を見た。
