君が罪なら俺は罰を受け入れる





だからだな、俺が車を降りたのはー……







『………行かないでください!』




車を降り、俺は彼氏だった奴の背中に向かって、そう叫んだ。



俺の叫びが聞こえ、振り返る彼氏だった奴。



初めて顔を合わせ、視線がぶつかり、言葉を交わす、その事実に動揺しながらも俺は伝えたいことを伝えたくて必死だった。









『……………誰?』



突然、知らない奴から叫ばれ、戸惑う姿が俺の目にも入り込んでくる。








『今のアイツはあなたのその行動の意味を穿き違えるから。

 あなたのその行動の本当の意味が同情だと知ったら……アイツは余計に苦しむから。

 捨てたなら、同情しないでやってください、優しくしないでやってください。

 酷い男のままで、そのままでいてやってください……』






アイツの願いはこの人が自分の元に戻ってくること。



俺はそれを知っていても、それでもその願いを叶えさせないー……





この決断に対して、いつか罰せられることがあっても、それでも俺はアイツの願いなんて最初から崩してやる。





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