【短編】「言わせてやろうか、好きだって」



ハッと息を吐くようにして笑いながら私を解放する翔平に、不覚にも寂しくなる。



「…なんだよその顔」


「や、なんでもない」



私が好きなのは、松本先輩で。



「そうやってすぐ泣きそうな顔すんなよ、ブスになるって言ってんだろ」


「うっさいなバカ」



翔平は、ただの幼なじみなのに。


そのはずなのに。



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