【短編】「言わせてやろうか、好きだって」



「だから翔平とは付き合えないって言えばいいのに、言えないの」


「うん」



揺れてる自分に腹が立って、仕方ない。


翔平を傷つけたくないことには変わりないけど、翔平を振ったことで傷つくのはむしろ自分な気がして。


そんな自分に、もっと腹が立つ。



「…じゃあ」



翔平の大きな右手が、私の後頭部を掴む。



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