もう一度、恋をしてもいいですか?


西の空が
オレンジ色に染まる
午後4時半過ぎ。


真知は仕事が一段落し
あとは梱包した多数の本たちを
発送するため運送業者の
引取サービスを待とうかな。


と思ったのも束の間、
お店の方から
華枝が顔を出し声が掛かる。


「真知。ごめん!!!!
保育園のお迎え頼んでもいい??
いま、こっち手が離せなくて」


「わかりました、
こちらはあと発送だけなので
お願いしてもいいですか?」

と華枝に発送をお願いし、
エプロンとマスクにメガネを外し
真知はお店の方から表へと出る。



保育園のお迎えに
マスクに眼鏡姿は
流石に怪しまれると思い、
この時だけは
いつも外すようにしている。


真知は思い切り
『んーーーっ!』
と一つ大きく背伸びをした。



1日中、
部屋にこもりっきりだった真知は、
背筋を伸ばして
保育園の方向へ足を向けた。









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