奴隷少女と我儘王子
「君は『呪われた子』って知っている?」
 いつもと同じように森で先生の授業を受けていると、最も知られたくなかったことを聞かれた。
「え、どうして……」
 この村で『呪われた子』は恐ろしい存在だ。外に余計なことが漏れないように、徹底して隠されているはずだ。先生がその単語を知っていることすらあり得ないことなのに。
「この村は、『呪われた子』を必要以上に隠しているね。あれではボロが出るのも無理はないさ。聞き耳を立てていれば、噂は簡単に入って来たよ。【右眼を潰そうとした奴が帰って来なくなった】【例年より死人が増えた】【呪われて可笑しくなった】【借金まみれで自決した】ここは比較的大きな村だから、問題も多いだろう。その全てを『呪われた子』に押し付けているんだ。弱者はストレスを発散する格好の的だ。何処にでもあるありきたりな話さ」
「……」
 先生は私がその『呪われた子』であると気づいていないか、普段の授業と何ら変わらない様子で、私を生徒として扱っている。
「そして昨日、その『呪われた子』の容姿がどのようなものかの情報を得た。小さな少女で、その子がそう言われるのは【呪われた右眼】が原因だってね。それは君のことだよね?」
「--っ!!」
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